電車に乗っていると、明らかに空いてる席があるのに、誰も座らない。
7人掛けの端から2番目だけポツンと空いてるけど、その席には誰も座っていない。
周りには立ってる人が何人もいるのに・・・。
何駅が過ぎていくと、やっと一人がそこに座ると、まるで「解禁」されたみたいに急にその周りが埋まり始める。
普通に考えれば、空いているのであれば座るものだし、それは早い者勝ち、立ってるより楽だし、遠慮する理由なんて、ひとつもないし、むしろ座らない方が不思議なくらい。
でも現実は、なぜか「座られない席」が存在していますよね。
その理由は、たぶん誰も明確には言えないでしょうし、隣の人との距離が微妙に近いとか、前に座ってた人の雰囲気がなんとなく気になるとか、ただ、それだけのことなんじゃないでしょうかね?
でも、それだけの曖昧な理由で、「空席」が「見えない壁」になる。
面白いのは、その空気が一瞬で変わること、最初の一人が座った途端、それまでの遠慮が嘘みたいに消えてしまう。
結局みんな、「座りたくない」わけじゃない。「最初に座る理由がない」だけなのかもしれませんね。
誰もが同じことを考えていて、でも誰も言葉にしないまま、同じ行動を選んでいて、実はこれは席の話に見えて、実はそれだけじゃない気もします。
空気を読むとか、様子を見るとか、「誰かがやってから」が安心になる感覚。
日本っぽいと言えばそれまでだけど、それが無意識に積み重なって、ちょっとした遠回りを生んでいる。
あの空いてる席に最初に座る人は、少しだけ空気を壊して、少しだけ流れを変えている。
ただ座っただけなのに。

